【北欧スタートアップ】Code School Finland 高度なプログラミング教育を提供

フィンランド
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IT市場の成長とIT人材の枯渇

これまでIT技術が多くの産業を支え、社会生活や家庭生活を大きく変化させてきました。
パーソナルコンピューター、インターネット、スマートフォン、Eコマースなど、過去20年ほどで急速に普及したIT機器やITサービスは枚挙に暇がありません。

この流れはさらに加速し、様々なグローバル課題を解決するための最重要な手段として、IT技術は今後も市場拡大を続けていくといわれています。

しかし、IT市場の急成長に人材供給が追い付かず、世界中でIT人材の枯渇が発生し始めています。日本も例外では無く、経済産業省2019年「IT人材需給に関する調査(概要)」https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdfによると、日本国内のIT人材は現在で30万人以上不足しており、2030年には45万人不足するという試算です。

プログラミング教育導入の活発化

このデジタル化、グローバル化の時代を生き抜く未来ある子供たちのために、また、国家の産業競争力の源泉となるハイレベルな IT 人材の早期育成を目的に掲げ、多くの国でプログラミング教育を初等教育から導入する動きが起こっています。

日本においては、プログラミング教育を含む新学習指導要領が小学校は2020年度、中学校は2021 年度から全面実施され、高等学校は2022 年度から学年進行で実施されると決まりました。(総務省2020年「子供向けプログラミング教育の現状に関する調査研究の請負成果報告書」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/r02_06_houkoku.pdf

プログラミング教育における課題 → 教える側が大変!

プログラミング教育の必要性はわかりましたが、実際の教育現場ではどのような課題があるのでしょうか?一般によく議論されているのは下記2点の「教える側」の課題です。

  • プログラミングを教えられる教員が不足している。

プログラミングの経験がなかったり、プログラミングに関する知識・スキルが限られている場合、プログラミング学習を指導することに不安を感じたり、自信が持てなかったりする教員の方が多いようです。

  • プログラミングを教えられる環境が整っていない。

GIGAスクール構想(https://www.it-ex.com/features/gigaschool.html)でプログラミングを学校で行うためのネットワーク環境やデバイスは整ってきているようですが、適切なツール選びが課題になっています。子ども向けのプログラミングツールは世の中にたくさん出回っていますが、選択肢が多すぎて何をどのタイミングでどうやって使えばいいのかわからない場合も多いです。

プログラミング教育の課題解決を提供するCode School Finland

こういったプログラミング教育の課題解決にフォーカスし、全世界の教育機関において採用実績を伸ばしているのがフィンランド発のスタートアップ Code School Finlandです。(https://www.codeschool.fi/about-us/)

Code School Finlandはこれらの課題に対して、教員の役割を変える教材とツールを適切に使うための”レシピ”を提供することでアプローチしています。

Code School Finlandは従来型の教え方である、知識やスキルを教員から子どもたちに伝達(transfer)する方法ではなく、子どもたちが知識やスキルを自分で構築(construct)するのを手伝うことへと、教員の役割を変えることで、プログラミングを教えられる教員不足の解消を目指しています。

Code School Finlandの教材はわかりやすい解説とモチベーションを高めるよう工夫された演習問題で、先生のファシリテーションや助言をもとに、生徒自身で取り組むことができるようになっています。またチームプロジェクトでは、コードを書くことだけでなく、コンテンツを企画したり、全体の進行を取り仕切ったりする仕事も必要になるため、子どもたちが自然に役割分担して各自の得意分野で仕事に取り組み、チーム全体に協力することができます。

先生用の学習指導書では、解答例の詳しい説明や指導の際のポイント、授業の中で取り入れるディスカッションテーマや問いかけなどを掲載し、プログラミング経験の無い教員の方でも子どものプログラミング学習をサポートすることができるようになっています。また教材を最大限有効活用できるように、教員の方向けに対面・オンライントレーニングなどの研修・学習機会も提供しています。

Code School Finlandの体系的なカリキュラムは、どのツールをどう使ったらいいのかを的確に示してくれるプログラミング教育を導入する際のレシピとも言えます。

コンピュータを使わずにプログラミングの考え方を学ぶ「アンプラグド」から始まり、ブロックを組み合わせてプログラムする「ビジュアルプログラミング」、上級レベルではPythonなど実際のプログラマーも使う「テキストプログラミング」まであり、幼児から高校生まで対応しています。

例えばビジュアルプログラミングでは、記述したプログラミングに応じて、実際の電子機器がピカピカと光りだす、など、コンピュータの仕組みや動作原理が体感的にわかる様に、Micro:bit(https://microbit.org/)などの最新のプログラミング教材が選りすぐられ、使い方の説明から基本的な構文、最終的にはオリジナルロボットを作るプロジェクトまで、子どもたちが実践を通して段階的にプログラミングを学べるようになっています。

既に、フィンランド、マレーシア、メキシコなど10か国での導入実績があり、日本でも某名門校などで採用され、普及が進んでいます。

実際に使われた教員の方々からの声

最小限の指導で、プロジェクトを通じて生徒たちが勝手に学び続けていたことが素晴らしかった。

プログラミングを難しく頭の中で考えるよりも、実際にプロジェクトの企画の方を皆で協力しており、そこに、Micro:bitのプログラミングがうまい配分で組み込まれている印象を受けました。

プログラミングの考え方につまずいたり悩んだりすることのサポートが大変かなと思っていましたが、子供たちの柔軟な思考力と表現力で主体的に取り組んでくれました。がっつり教えるよりも、楽しんで取り組めるようどうやって応援するか、指導する側も楽しむことが大事でした。

プログラミングというと一人でコツコツと取組むイメージがあり、楽しむところまで落とし込むのが難しいのではないかと思っていましたが、プロジェクトではチームで取組み、成果物ができて最後楽しむところまでできていたのでよかった。

Code School Finlandの教材では、教師の指示通りに学ぶのではなく自ら学ぼうとする力が備わり、また(教員が)それを共感し、認めてあげることで、自分を肯定し自信がつくことにつながると思いました。今回のこの教材を用いたワークショップで、全員が自分を肯定でき自信がつけることができたと思います。

Code School Finlandの教材の良いところは、最小限の説明で生徒がプロジェクトを通じて理解し、創造性豊かな作品が出来上がるところ。プロジェクトの課題設定が、生徒を飽きさせないところ。

Code School Finlandの教材の最も革新的な内容はその構造にある。日本ならではの効率的な一方的な指導ではなく、生徒一人ひとりが考え、知識を獲得できるようなカリキュラムになっているところだ。例えば、”このセンサーの精度はこの程度です”というような与える指導方法ではなく、”このセンサーの精度はどのくらいか調べよう”、”どうやったらセンサーの精度を調べられるか考えてみよう”のように、常に考えさせるような【問いかけ】体系的に設定されている部分に、生徒のモチベーションを高め、クリティカルシンキングが育まれると確信した。

まとめ

  • IT市場は引き続き成長するが、それに伴いIT人材の供給不足もより深刻になっていく。
  • 各国ともに次世代のIT人材の確保のためにプログラミング教育の導入を進めている。
  • プログラミング教育の現場では教員不足と環境整備の遅れが課題となっている。
  • IT立国であり教育大国でもあるフィンランド発のスタートアップCode School Finlandは、プログラミング経験の無い教員でも扱える教材を研修機会と共に提供している。
  • Code School Finlandのサービスは世界中でシェア拡大しており日本でも某有名校で導入された。
筆者プロフィール
この記事を書いた人
Koki Okada

北欧在住6年。ソフトウェア開発センター長。2児の父。シリコンバレースタートアップとのセキュリティファームウェア開発、US東海岸研究所とのビデオコーデック開発、インドスタートアップとのWi-Fiソフトウェア開発を経て、Nokiaショック後のフィンランドに移りIoT・AI関連のソフトウェア開発センターを立ち上げ・現職。週末は勉強のため読書・執筆。

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