本記事では、日本のみならず世界で問題になっている若者の政治への関心の低さについて、特にフランスの状況を紹介します。
フランスの大手ニュースメディアのFranceinfo(フランスインフォ)によると、
約60%の若者が大統領選挙について「投票に行くかわからない」と答えているそうです。
議論大好きなフランス人の特徴から(私の勝手な印象ですが)、思ったよりも高い割合に少し驚きました。
やはりこの状況は問題視されており、それを解決するべく活動している人も多いようです。
若者の政治離れは日本だけではない
日本の、若者の政治離れが叫ばれる昨今、ふと目をヨーロッパに移せば若い大統領や政治家が次々に誕生しています。
この状況から、欧米諸国はさぞかし若者の政治的関心が高いのだろう、と予想がつきますが、実際には日本と同じ問題を抱えているようです。
日本は投票率の低い国としてワースト上位に常連のようですが、例えばアメリカや、ヨーロッパではスイスなども投票率が低く、50~60%代を記録しているそうです。
日本だけでなく、世界でも多くの国が投票率を上げるためのキャンペーンをしたり、投票を義務化したり、罰金を科すなどといった国もあるそう。
つまり、若者の政治離れは日本だけでなく、世界的な問題であると言えます。
フランスでは約6割の若者が、選挙に行くか迷っている
私はフランス在住なので、ヨーロッパでも特にフランスのニュースを耳にする機会が多いのですが、大手ニュースメディアの記事において、以下のような情報が流れてきました。
Près de 60% des 18-24 ans ne sont pas sûrs d’aller voter à la prochaine présidentielle.
https://www.francetvinfo.fr/elections/presidentielle/presidentielle-des-applications-pour-aider-les-jeunes-a-choisir_4911501.html
18~24歳の若者の60%近くが、大統領選の投票に行くか決めかねている
フランスの現大統領(2022年3月時点)はエマニュエル・マクロン氏。
若く、言葉に力のある、(誤解を恐れずに言うと)ある意味タレント性の高い大統領だと言えます。
私の6歳と9歳の子供ももちろん知っているます。
さらに、議論が大好きなフランス人、よく会社でも休憩時間に同僚が政治の話題で熱く語り合っている姿を見て、私は勝手に「フランスでは若者も政治への関心が高いのでは」と思っていました。
しかし、現実は違ったみたいですね。上の数字をみて驚きました。
解決案は?:若者に政治への関心を持たせるための施策
日本やフランス、上に挙げた以外にも多くの国で問題になっている「若者の政治離れ」、その解決案はあるのでしょうか?
以下、それに関していくつか実例を挙げてみます。
フランスでは大統領や大臣がTikTokやInstagramに投稿している
フランスのマクロン大統領はSNSを活用して、若者の関心をひきつけています。
例えばワクチンの質問をTikTokやInstagramを使って募集していました。さらに質問を募るだけでなく、若者の接種率が低いことが問題になっていることを呼びかけていました。
マクロン大統領と言えば、スタートアップを盛り上げるためにもLinkedInなどのSNSを活用しています。テレビだけでなく、若者がアクセスしやすいメディアを使って国全体に呼びかける、日本も参考になる点が多いのではないでしょうか。
さらに、フランスの交通大臣ジャン=バティスト・ジャバリ氏は、ある少女の:「交通大臣は大臣の中で一番何もしていない人」というツイッターへの書き込みに、TikTokで答えるという粋な返しをしたそうです。
質問に答えるだけで、自分の考えと大統領選候補者をマッチングさせるアプリが登場
また、フランスでは来たる大統領選に対して若者の投票率を上げるために、「Elyze」という、25個の質問に答えるだけで、自分の考えに一番近い大統領候補を選んでくれるアプリが登場しました。
質問もわかりやすく、シンプルに書かれており、また賛成だったら右に、反対だったら左にスワイプするだけの今どきのUIを採用しています。
リリース一週間で30万ダウンロードを達成し、現在では50万越です。
ユーザレビューを読んでみると、おおむね好評、特に(良いか悪いかは別として)質問が簡略化されていて分かり易いという意見が見られました。
評価が3点台と低いのは、アプリが落ちるとか、バグの問題が影響しているようです。
まとめ
日本でも若者の政治的関心を向上させるべく、様々なキャンペーンや情報発信がなされていますが、それは海外でも同じ状況のようです。
その方法は当然国によって違うため、参考になりにくいですが、外の国の状況を見ることで、根本的な原因は何なのか、若者はどんなものに興味があるのかなど、学ぶことはたくさんあるなと感じました。
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