本記事ではロジスティクスを再発明に挑戦するフランスのスタートアップ・zozioを紹介します。
工場内の物流や生産ラインの最適化、または生産量の予測に関して課題を抱えていませんか?
それらを実現するには、まず、データを取得して、それらを可視化して、さらに解析して・・・と大変な作業が必要となるため、手をつけられていない企業が多いのではないかと予想します。
本記事で紹介しているzozioは、IoTとAIを使って工場内のデータを取得、解析することで、工場内の物流のトレースを行ったり、生産量予測技術を用いて在庫を減らしたり、工場の稼働状況を可視化したりすることができます。
日本企業とも相性が良いので(zozioの代表の方が是非日本企業に宣伝してくれ!と言っていました)、ソリューションの導入のみならず、投資先や協業先を考えている方も是非ご覧ください。
IoTとAIで工場をDX
工場のDX、今、多くの企業が抱えている課題だと思います。特に、
- データをどうやって取得するか?
- 取得したデータをどうやって可視化するか?
- 取得したデータをどうやって解析すればよいか?
といった点が課題として挙げられることが多いのではないでしょうか?
つまり、やるべきことはデータ取得のためのデバイスやセンサを設置し、データを可視化するためのソリューションを導入、そして解析のためのソフトウェアを実行しなければなりません。
その課題に目を付けたのが、フランスのスタートアップ・zozio。
彼らはデータ取得のためのIoTデバイスから、データの可視化のためのソリューション、データ解析のための機械学習(AI)を全て備えています。
zozioのプラットフォーム(IoT、ソフトウェア等)を導入すれば、
- 工場内で取得したデータをリアルタイムに表示できるだけでなく、
- 解析機能により、「いつもと違う」状況をすぐさま感知したり、
- 必要な生産量の予測をAIで算出したりすることもできます。
また、導入する工場に合わせたKPI(Key Performance Indicator)を設定→表示することも可能だそうです。
以下、zozioが持つ技術の詳細を見ていきたいと思います。
zozioのソリューションラインナップ”Robin”
zozioが提供するソリューション・Robinシリーズを一つずつ簡単に説明したいと思います。
Robin・IoT
zozioはIoTデバイスを用いて、工場内の製品等のトレーサビリティを向上させるソリューション、Robin・IoTを提供しています。
通信にはUltra Wideband, RFID, GPS等を用いており、高精細な位置同定技術により実現しています。工場内のトレーサビリティの向上は効率化に直接繋がります。
zozioのIoTデバイス
zozioのIoTデバイスは「Plug & Play」、つまり簡単インストールが可能です。具体的には工場に設置後、数時間で位置情報の取得が可能とのことです。
また、メンテナンスにも特別な知識は必要なく、誰でも使えるところもアピールしています。
Robin・Connect
Robin・Connectは、先に紹介した産業用IoTデバイス(IIoT)より取得したデータを、高セキュリティに、且つ、構造化して収集します。
産業用ソフトウェアで利用できるようにAPIを用意し汎用性を向上させています。ただし、導入には4G等の高品質ネットワークが必須とのことです。
Robin・Insight
Robin・Insightは収集したデータを可視化するソリューションです。
必要なデータが瞬時(リアルタイム)に確認できるダッシュボードや、パフォーマンス向上のためのKPI表示なども可能です。さらに、レポーティング機能も備えており、日々の業務を大きく効率化することができます。
Robin・Perf
Robin・Perfは収集したデータを解析するソリューションです。
生産ライン、在庫、各工程の作業などをデータをユーザ好みに可視化・解析し、ユーザはその結果を用いて評価、カイゼンを行うことができます。
Robin・Brain
Robin・BrainはAIを用いたソリューションです。
具体的には調達に特化した、予測AIを用いています。このAIの予測結果を使って、最適な生産量に調整、つまり在庫を減らすことができます。
予測技術にはデータマイニングや機械学習を用いて、普段の調達パターンから「いつもと違う(アブノーマリティ)」を検出します。
ちなみに、AI自体について詳しくない方、ざっくり理解したいなと思っている方は、以下の記事をおすすめします。是非併せてご覧ください。
利用している産業分野例
このzozioのシステムは様々な産業で利用可能です。想定している産業例として、化学製品、製薬、自動車などを挙げています。
上の説明からわかるように、工場のあらゆるところで、またあらゆる製品、あらゆる目的で利用可能なので、この技術に興味のある方は是非コンタクトしてみてください。
まとめ
本記事では、フランスのスタートアップで、ロジスティクスを再発明すること、工場のDXをヴィジョンに掲げているzozioを紹介しました。
冒頭でも述べましたが、日本の企業とも相性が良いように思えますし、本記事の筆者がzozioの方にコンタクトしたところ、日本進出に関してかなり積極的な印象を受けたので、この技術に興味のある方、投資先を探している方は是非コンタクトしてみてください。
(コミュニケーションで不安な方は下に記載されている筆者に連絡いただければ、お手伝いできるかもしれません。ご連絡いただければと思います)
画像提供元:https://zozio.tech/
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