欧州ではキャンプは文化、その楽しみ方とは?【SDGs・サステナビリティ】

camp_plus_sustainability SDGs
キャンプはヨーロッパ文化の一つ

本記事では、ヨーロッパにおけるキャンプの過ごし方について紹介します。

フランス在住の私が、実際に欧州の友人や同僚から聞いた話から理解したことは、欧州人にとってキャンプはレジャーだけでなく、心を整える手段の一つのように感じました。

以下、そのように感じた理由、日本でのキャンプとの違いを紹介していこうと思います。

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日本では空前のキャンプブーム

現在、コロナによるソーシャルディスタンスの影響もあって、開放的な外でのアウトドア活動の人気が高まっています。中でも広大な自然の中で楽しめるキャンプは、コロナ禍で多くの人が興味を持ち、ブームなったと言えます。

あまりアウトドアに関心が無かった人でも、この機会に興味をもった方も少なくないはずです(私もその一人)

自然の中、みんなと、もしくは一人で、のんびり好きなことをして過ごすのは本当に贅沢ですよね。

いつでも電話やインターネットで繋がれて、手を伸ばせばなんでも手に入ってしまう現代だからこそ、あえて少し不自由に、日常と違う自然に囲まれた環境で過ごすことの新鮮さに多くの人が気づき始めたのではないでしょうか。

ヨーロッパではキャンプは文化、なぜ?

私自身、ヨーロッパに移住して驚いたことの一つに、夏のバカンスなどでキャンプに出かける人が多いことです。これはコロナ禍になる前からのことで、つまり(感染症対策の)密集を避ける云々とは関係なく、休暇の過ごし方の一つとして定着しています。

バカンス地にはキャンプサイトが必ずあり、みんな車に道具を詰め込んで、もしくは大きなリュックに折りたたんだテントを持って、数日~1,2週間キャンプします。

ヨーロッパの人たちは、日本のような、一泊二日で、張り切って豪華な料理を作って・・・と言うものではなく、テントを張って、日陰で読書したり、海で泳いだ後に昼寝したり、特別なことはしなくても非常に優雅に、贅沢に過ごしています

楽しい休暇を過ごすためではないならば、一体どんな理由でキャンプをしているのでしょうか?

理由①:日常のストレスから自分を切り離すため

déconnecter : 日常のストレスから切り離す
déconnecter : 日常のストレスから切り離す

私の住むフランスでは、バカンスシーズンによく「déconnecter」という言葉を使います。

意味は「切断する、接続を切る」、つまり、バカンスでは日々の仕事に追われた生活と切断し、のんびり時間を過ごす、という文脈で使われます。

例えば、私の知り合いの奥様は、日々の育児からの休暇として1、2週間バカンスを取るときに、この「déconnecter」を使っていました。

その「déconnecter」の方法の代表格がキャンプです。

自然の中でキャンプして、のんびり過ごす。仕事中や育児中の時間の流れとは全く違う空間でリフレッシュすることで、また気持ちよく日常に戻ることができます。

ヨーロッパではこんな風にキャンプが使われており、もはや「心を整える方法」の一つと言えます。

(ヨーロッパ人は本当に自分のコントロールが上手いです、見習わなければ)

理由②:ヨーロッパは環境意識が高いため

環境問題の一つ、廃棄ペットボトル
環境問題の一つ、廃棄ペットボトル

ヨーロッパ人の環境意識への高さも、キャンプが人気の理由の一つと言えます。

大きな都市でバカンスを過ごすと、どうしてもペットボトル飲料を飲んだり、買い物でプラスチックバッグをもらったり、今環境汚染の問題として取り上げられているプラスチックを消費する機会が増えます。

一方、キャンプなど自然の中で過ごすことで、そういった機会は激減します。

環境意識の高いヨーロッパ人は、キャンプなどでバカンスを過ごすこと、つまり地球を汚さずに過ごすことを誇らしげに語ります。

事実、キャンプをすることで(都会で過ごすよりは)プラスチック等の消費は減りますし、さらに、自分も環境問題に貢献していると語れることもキャンプ人気の一要因になっているのだと思います。

サステイナビリティとキャンプの関係性

テントキャンプ03
自然の中で、みんなでキャンプを楽しむ

上で述べたように、キャンプと環境問題、さらにこの後述べているキャンプと人間性の回復(この先も人間らしく生きていくこと)は非常に密な関係にあります。

環境を守っていくこと、人間らしく生き続けることは、まさにサステイナビリティであり、つまり、キャンプとサステナビリティは強く関係していると言えます

自然と触れ合うことの大切さ

キャンプなどを通じて自然と触れ合うことで環境への意識が高まります。

自然の美しさ、自然の音、自然の中での遊びなど、都会での生活では体験できないものばかり。

私は二人の子供がいるのですが、彼らをキャンプに連れていくと目を輝かせて喜びます。

そして「今ね、プラスチックが地球を汚していて・・」なんて話をすると、真剣に耳を傾けてくれます。キャンプによって「地球を守りたい、美しく保ちたい」という気持ちが強くなったのでしょう。

都会の生活の中では気づきにくいですが、我々は(特に日本は)過剰なサービスに囲まれています。

その過剰なサービスは、時として環境汚染につながります

キャンプなどを通じて自然と触れ合うことは、今の生活を客観的に見せてくれて、美しい地球を持続させるには何ができるのかを考える良いきっかけを与えてくれます

自然との対話で人間性の回復(スノーピーク)

キャンプ:人と人、人と自然の繋がり
キャンプ:人と人、人と自然の繋がり

キャンプ用品やアパレルを展開しているスノーピークの記事を読んでいて、以下のようなメッセージを見つけました

ミッションは「人間性の回復」

私の理解では、彼らによるとテクノロジーが発達すると人と人との繋がりが希薄になり、また自然と触れ合う機会が減り、人間性が低下すると。

彼らは人と人、人と自然をつなげることで野生を取り戻し、人間性を回復させることをミッションとして掲げている、と。

つまりキャンプのような自然と触れ合うアクティビティは人間性の回復につながり、この先も人間が人間らしく生きていく⇒サステナビリティの向上につながる、と理解しました。

素敵なミッションですよね。

キャンプによって環境問題だけでなく、自分自身の生き方まで見直すことができます。

結論、キャンプは地球にも自分にも良いことだらけ!

さぁ!キャンプを始めよう!

キャンプ・テント
さぁ、キャンプに出かけよう

と、まぁ、堅苦しい言い方でキャンプの良さを伝えてきましたが、シンプルにキャンプに行ってみる、自然の中で時間を過ごしてみるのが一番早く理解できると思います(笑)

まずはキャンプグッズをそろえて、キャンプサイトを予約して・・人気のアクティビティなので、インターネットで探せばこの手の情報はいくらでも出てきます。

ただ、特にキャンプグッズに関して、たくさん情報がありすぎて、どれが良いかわかりませんよね?

ここで、オススメのキャンプ用品や、レンタルサービス、さらにサスティナブルを意識したキャンプグッズなどを紹介したいと思います。

スノーピーク

上でも紹介させていただいたスノーピーク、今急成長しているブランドです。

ミッション「人間性の回復」に加え、「”NOASOBI(野遊び)”の力でこの惑星が求める未来を次々に実現する」など、まさにサステイナブルな思想・理念を持つ会社です。

値段は少々高いものの、長く使える(サポートもしっかりしている)し、何より上のような経営理念に共感した人は濃いファンになります。

みなさんもこのスノーピークのテントで、自然と触れ合い、人間性の回復を体験してみては?

スノーピーク(snow peak) テント アメニティドーム [3人/5人/6人用]

↑のテントの画像またはリンクをクリックするとAmazonの購入サイトへ行けます

Qaou : リサイクルプラスチックを利用したキャンプグッズ

フランス・マルセイユ発のアウトドアブランド、Qaouはペットボトルなどの廃棄プラスチックを原料とし、さらに染料不使用の環境に配慮したアウトドアグッズを開発・販売しています。

具体的には以下のような商品を販売しています。シンプルでかっこいいですね!

タープ、シェルター、テントフライにもなるマルチ機能ハンモックQaou(カウ)ビバークパック

↑のテントの画像またはリンクをクリックするとAmazonの購入サイトへ行けます

価格:¥54,800(日本の代理店から購入可能)

以下の記事では、どのように廃棄プラスチックからテント素材が作られるか、このテントにはどんな機能があるのか、他の商品はどんなものがあるのかなどを紹介しています。

興味のある方は是非ご覧ください。

キャンプグッズレンタル

キャンプに興味が出たけど、まだ何もグッズを持っていない方はレンタルが一番賢い選択かもしれません。

まず試しに一度やってみて、ハマれば上のようなテントなどを購入すればよいので。

例えば以下のサービスはグッズレンタル、且つ、キャンプ場まで届けてくれる(自宅配送も可能)至れり尽くせりの「手ぶらキャンプ・hinata」です。

このサービスは、ネットで予約すれば、キャンプ場または自宅でレンタルグッズを受け取れ、また返却も受け取った場所から返却可能です。

値段的にも、ファミリー用テント、ソロキャンプ用のテント共に1万円以下から揃っているので、まずキャンプやってみたいと考えている方には良いかもしれませんね。

まとめ

SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が広まりつつある昨今、仕事だけでなく、個人の活動の中でも環境問題に目を向けるタイミングが来ました。

さらには、環境問題など地球規模のサステイナビリティだけでなく、個人として長く、幸せに生き続けることも考えるべきです。

本記事で紹介したように、キャンプはそのどちらに対しても意識を高めるとても良いアクティビティだと思います。

また、お子さんを持つ方には、キャンプはとても良い「教材」なので強くオススメします。

コロナ禍で「何もできない」と悲観的にならずに、キャンプで自然の中に飛び込みましょう。

筆者プロフィール
この記事を書いた人

フランス在住(現地採用)。工学博士。移民。
大学時代から人工知能・コンピュータビジョンの研究に従事し、現在までにディープラーニングを用いたCT画像中の肺結節の悪性判定システムや、車載センサーデータにおける認識処理を用いた自動運転システムの開発を遂行。

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