フードテックとサステナビリティ(持続可能性)の関係【SDGs】

フードテック+サステナビリティ SDGs
フードテックとサステナビリティの関連性

本記事では、近年注目されているサステナビリティ(持続可能性)と、フードテック(FoodTech:食品/農業(Food)+テクノロジー(Technology)の造語)の関係について紹介します。

サステナビリティの注目が高まるにつれて、昔と今でフードテックの在り方が変化してきています。

具体的には、大量生産のためのフードテックから、地球にやさしい生産や体に良い(安心・安全な)食品のためにテクノロジーが使われるようになってきました。

それに伴い、フードテックでサステナビリティを目指す多くのスタートアップも誕生しています。

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フードテックって何?

食品工場
Conventional Food Tech:Food factory

まず、フードテックって何?というところから説明します。

フードテックとは「フード(Food)」+「テクノロジー(Technology)」から生まれた言葉であり、もともとは、以下ようなものを指していました

  • 食品加工技術を使って美味しいものを作る
  • 生産技術により大量に食品を作る
  • 食事の注文・配達を効率的に行う

これらは今でも廃れたわけではなく、引き続き技術の向上とともに改善されています。

特に3つ目の「食事の注文・配達の効率性向上」については、UberEatsなど、ウェブやスマホを使ってそれを実現するスタートアップがたくさん生まれています。

フードテック、昔と今の違い

Foodtech + SGDs
近年のフードテックのトレンドを説明

上で説明したフードテックですが、近年、少しずつ意味合いが変わってきています。

具体的には、今までの大量生産、効率性向上を目指すものから、以下のような目標にシフトしてきています。

  • フードロスを無くす
  • 人間にとって安心・安全なものを使用して食品を作る
  • 地球にやさしい食物の生産

なぜ、このようなシフトが進んできたのか、理由は近年の「サステナビリティ(持続可能性)」への関心にあります。

世界的な目標として掲げられたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の一つに「Zero hunger : 飢餓をゼロに」というものがあります。

これは当然、食に関わるゴールであり、テクノロジーによって解決されることが期待されています。それゆえ、フードテックの目標が変わろうとしているのです。

目標2 : 飢餓をゼロに

飢えをなくし、だれもが栄養のある食料を十分に手に入れられるよう、
地球の環境を守り続けながら農業を進めよう

さらに、他の目標である「Climate action : 気候変動に具体的な対策を」に関しても、食品の製造過程にテクノロジーを用いることで解決できる可能性があります。

こういった近年の動向から、フードテックの在り方が変わりつつあります。そして、それに伴って、この新たなフードテック分野でスタートアップが誕生してきています。

新・フードテックのスタートアップ

Startup
フードテック+サステナビリティを目指すスタートアップ

ここから、上で説明したサステナビリティに強く関連したフードテックのスタートアップ、プロジェクトをいくつか紹介したいと思います。

Greenhouse:ハイテク農作物管理施設

食物を育てるための大規模室内施設を建設するGreenhouseプロジェクト。

最新のテクノロジーを使って、食物をより安定的に、安全に(有害な農薬を使わずに)、そして美味しく育てています。

このプロジェクトは中国、ロシア、カザフスタンなど、世界各地で実施されているとのことです。

廃棄食品から「うま味」成分を作り出す Reduced

「世界から食品廃棄を減らすこと」をミッションにした、コペンハーゲン発のスタートアップ・Reduced。

彼らは、本来廃棄されてしまう食品の残り物から調味料やプロテイン等を作り出す技術を軸に、大きな資金調達(38万5千ユーロ)に成功しています。

その食品加工技術もさることながら、廃棄されていた食品を使うというサステナビリティの文脈に乗っていることで、これだけ注目されていると言えます(もちろん、サステナビリティ文脈には偶然ではなく意図的に乗せているのですが)

昆虫からスナック菓子を作る Small Giants

タイトル通り、昆虫からスナック菓子を作るスタートアップ・Small Giants、こちらも大型資金調達に成功して注目を浴びているようです。

昆虫を材料とすることで、製造過程での温室効果ガスの排出が大きく抑えられるとのこと。

さらに、出来上がったスナック菓子はプロテインが豊富なようで、つまり体に良い、健康サステイナブルフードと言えます。

昆虫食は地球温暖化を解決するカギ

近年、このSmall Giantsのように、高たんぱく質、且つ、二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量が圧倒的に抑えられるという理由で、昆虫食のフードテックに取り組むスタートアップが増えています。

以下の記事では昆虫食に焦点を当て、そのメリット(家畜と比べてどの程度地球に優しいのか、など)をまとめているので、興味のある方は是非ご覧ください。

植物油から動物性脂肪の”味”の再現を目指す Melt&Marble

スウェーデン発のスタートアップで、ココナッツやヤシの木からとれる植物性油から、動物性脂肪の味を再現するMelt&Marble。

コンセプトは:

delicious animal fat, without the animal
(美味しい動物性脂肪を、動物を使わずに)

https://www.eu-startups.com/2021/08/swedish-startup-meltmarble-raises-e750k-to-create-fats-that-close-the-taste-gap-between-animal-and-plant-based-meats/

動物から作られる食物を、植物など自然なものと置き換えることで温室効果ガスの排出を抑えられる点は多くの企業が着目しており、このスタートアップもその一つです。

また様々な命と共存していくという点においても、彼らのアイデアは素晴らしいと思います。

“藻”食品の研究開発を行っている ALGAMA

本ブログの以下の記事でも紹介しているのですが、“藻”を使った食品の製造により、動物性たんぱく質に代わる栄養食を目指しているフランスのALGAMAというスタートアップも注目されています。

彼らはフランス政府のスタートアップ支援政策・フレンチテックの中の、主に環境問題を解決しうるスタートアップ20社(FT Green 20)にも選出されています。

日本でもサステイナブル食品を開発するスタートアップが誕生している

上には欧州のサステナビリティ+フードテック事例を紹介しましたが、日本にもこの分野でスタートアップが誕生しています。

例えばコオロギとエンドウ豆のたんぱく質からプロテイン食品を開発・販売しているINNOCECT

高栄養価次世代タンパク質【INNOCECT】

かれらは高まるオーガニック志向に応えるべく、昆虫や植物から生成する安心・安全なプロテインを広めることを目指しています。

また、動物からではなく、昆虫のたんぱく質を使用することは、温室効果ガス排出量の削減や、動物の生育に必要なエサや水の量を大きく削減できます。

つまりサステナビリティと大きく関係しています。

日本では、サステナビリティやSDGsへの意識が欧米と比べて低いと、一般的には言われていますが、2020年の菅元首相による「2050年までにカーボンニュートラルを達成する」宣言により、日本でも待ったなしの状況に急変しました。

気候変動(異常気象)など、身近に感じる今こそ、このようなサステイナブルな商品や食品を利用するところから、地球に対するアクションを始めてみてはいかがでしょうか?


高栄養価次世代タンパク質【INNOCECT】

ちなみに、このINNOCECT、以下のような全く昆虫食に見えないプロテインバー、しかも抹茶味(チョコレート味もある)を販売しています。


INNOCECT:クリケットプロテインバー(抹茶)

このような見た目や味なら、昆虫食を意識せずに利用できますね。

個人でできる地球温暖化防止策・昆虫食、是非お試しあれ。

まとめ

SDGsの注目とともに、目標が変わりつつあるフードテック。今後ますます、サステナビリティとの関連が強くなっていくことは間違いありません。

食は疑いようのない、生活基盤の一つなので、ビジネスの観点からもマーケットは非常に大きく、大きなイノベーションが、数多く起きる予感がします。

また、フードテックではないのですが、廃棄ペットボトルからテントやハンモックなどのアウトドアグッズを開発・販売しているスタートアップも本ブログで紹介しています。

サステナビリティは食だけでなく、生活の様々なところで意識できるので、みなさんも身近なところからアクションしていきましょう。

筆者プロフィール
この記事を書いた人

フランス在住(現地採用)。工学博士。移民。
大学時代から人工知能・コンピュータビジョンの研究に従事し、現在までにディープラーニングを用いたCT画像中の肺結節の悪性判定システムや、車載センサーデータにおける認識処理を用いた自動運転システムの開発を遂行。

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