フランス発の相乗りサービス『BlaBlaCar(ブラブラカー)』

フランス発の相乗り移動サービス・BlaBlaCar フランス
フランス発の相乗り移動サービス・BlaBlaCar

本記事では、フランス発の相乗りサービス『BlaBlaCar(ブラブラカー)』を紹介します。

今やフランスを中心としてヨーロッパ圏内ではUberと並ぶくらい?移動サービスとして知名度のあるBlaBlaCar。とにかく安くて、例えばパリからリオンまで24ユーロ程度。長距離バスよりも安いです。

BlaBlaCarはUberと同様にドライバーのレイティングシステムを採用するなど、サービスの品質向上に努めて実績を積んできました。しかし、その実績の一番の理由、且つ、Uberとの一番の違いは格安・長距離移動でしょう。

フランスをはじめ、ヨーロッパ各国は安さに加えて陸続きという好条件が重なり、車で長距離を移動するのスタンダードです。それに相乗りサービスを加えた、まさに地の利を活かしたサービスを作ったBlaBlaCar、詳しく見ていきましょう。

本記事の目次です。

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元祖・相乗りサービス「BlaBlaCar」

BlaBlaCar
フランス発の相乗りサービス・BlaBlaCar

今でこそ、Uberの流行により、タクシー等の会社所属の運転手ではない、一般ユーザーが運転する車に乗ることに対する抵抗は低くなりました。しかしBlaBlaCarがローンチされたのが2004年、今のような考え方を持っている人は少なかったはずです。ヒッチハイクはあったとしても、ウェブサービスとしてはパイオニアと言えるのではないでしょうか。

※本記事の情報や画像は以下のサイトから取得しています(BlaBlaCar社に了承済み)

BlaBlaCar誕生の逸話

創業者のFrédéric MazzellaがBlaBlaCarのサービスを思いついたのは2003年のクリスマス。田舎に帰ろうとしていた彼は車を持っておらず、電車も満席、途方に暮れて道路を見ていると、行き交う車には運転手しか載っていないことに気づく。この空席を利用できれば・・・というのが発想だったようです。

日常のシーン過ぎて、みんな見過ごしてしまいそうな点ですが、ここにしっかり気が付き、サービス構築まで実行する力がこの成功をもたらしたのでしょう。

最大の特徴:”長距離”相乗りサービス

近年、様々なライドシェアサービスが立ち上がっていますが、このBlaBlaCarの、それらとの差別化ポイントは”長距離移動”であることです。

BlaBlaCarは正真正銘の相乗りサービスです。つまり、ドライバーは客を乗せるためだけに走るのではなく、自分の目的地があり、もしユーザが同じ目的地(または経由地)に活きたければ相乗りを依頼します。例えばUberは専属のドライバーがユーザを目的に運ぶためだけに運転します(ドライバー自身の目的地はない)。この点が大きな違いであり、BlaBlaCarは遠い田舎へ向かう車などを利用できるため、長距離移動を可能にします。

とにかく安い!長距離バスより安い!

安さもBlaBlaCarの特徴と言えます。とにかく安いです。長距離バスよりも安い。例えば以下のような料金設定です。

BlaBlaCarの利用料金
BlaBlaCarの利用料金
  • ボルドー ⇒ トゥールーズ:13ユーロ
  • ナント ⇒ レンヌ:6ユーロ
  • パリ ⇒ リオン:24ユーロ

※実際にはこの金額にサービス利用料1~数ユーロがかかります

例えばパリとリオン間は車で約500キロ、その距離を24ユーロ(+サービス利用料:数ユーロ)なので、かなり安いことがわかると思います。

信頼度を高めるレイティングシステム

BlaBlaCarでもUber同様、ドライバーに点数(レイティング)が付いています。これにより信頼を担保しようとしています。プロフィールの写真も本人とわかりやすく認識してもらうために、サングラスを付けていない、正面向きの、などといくつか撮影ルールがあります。私はBlaBlaCarのサービス担当の方が日夜、プロフィールの承認作業を行っているテレビ番組を見たことがあります。これはサービスの信頼に直結するところなので、企業側も手を抜かないということなのでしょう。

しかしながら、BlaBlaCarをはじめ、相乗りサービスではトラブルが絶えないのも事実。利用する際は注意して使いましょう。

BlaBlaCarの実績

ビジネスの観点から、BlaBlaCarの実績を表す具体的な数字は以下の通りです。

  • 登録者:9000万人
  • 22か国でサービス展開
  • 四半期での利用者数:2500万人
  • 一回利用時の平均移動距離:263キロ

2016年にはユニコーン企業の仲間入り

上の実績、特に登録者数・利用者数からわかるように、このBlaBlaCarは2016年にユニコーン企業の仲間入りを果たしました。

以下、BlaBlaCar以外や他のフランス発ユニコーン企業をまとめた記事です。是非ご覧ください。

また、本サービスにより、2018年は160万トンのCO2を削減した点もアピールしています。

温室効果ガス・CO2の削減には国をあげて取り組んでおり、大きな技術革新が期待できるため、今後注目の分野です。また、日本でも参考になる技術・ビジネスが多数あると思うので、引き続きウォッチを続けていこうと思います。

まとめ

私はフランス在住なので、旅行の話をするとBlaBlaCarはよく話題にのぼります。移民の私としてはトラブルに巻き込まれてしまうのでは?と少し不安を覚えますが、ヨーロッパの人はこういったサービスになれている感じがするし、実際、日常的にヒッチハイカーを見るので、多くの人が使っているのだと予想します。

近年、急速にこのようなシェアリングサービスが増えているので、それに伴ってレイティングシステムが成熟してくるはず、そうなるとより一層安心して使えるようになりそうですね。

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筆者プロフィール
この記事を書いた人

フランス在住(現地採用)。工学博士。移民。
大学時代から人工知能・コンピュータビジョンの研究に従事し、現在までにディープラーニングを用いたCT画像中の肺結節の悪性判定システムや、車載センサーデータにおける認識処理を用いた自動運転システムの開発を遂行。

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